【その3】トロフィーや賞状をあげる

 シカゴ大学の社会経済学者、スティーヴン・D・レヴィット教授らが行なった実験からは、子どもが小さいうちは、ごほうびはお金よりも、メダルやトロフィーのようなもののほうがやる気を刺激することがわかりました。

 メダルやトロフィーは100円ショップでも手に入りますし、インターネット上には賞状を無料で作成できるテンプレートもあります。ネットや文具店で売っている「ごほうびシール」にもさまざまな種類があり、子どもは喜びます。

【その4】「お金」をあげるときは注意

 ハーバード大学のフライヤー教授の調査では、ごほうびにお金をもらった子どもたちは、お金を無駄遣いせず、きちんと貯蓄をするなど、堅実なお金の使い方をしていました。

 教育経済学者の中室牧子教授は、この結果は、ごほうびと一緒に貯蓄用の銀行口座をつくったり、家計簿をつけさせるなどの「金融教育」が同時に行なわれていたことが一因ではないかと見ています。

 お金に関する正しい知識を与えれば、ごほうびにお金をあげることも悪くはなさそうです。

(本原稿は、『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』の内容を抜粋・編集したものです)

参考文献

エドワード・L. デシ、リチャード・フラスト『人を伸ばす力 内発と自律のすすめ』(桜井茂男監訳、新曜社)
中室牧子『「学力」の経済学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)