就職みらい研究所の調査(2020年7月1日時点)によると、すべての就職活動にかかった費用の平均値は、12万8890円となっている。地域別では、北海道・東北、中部、近畿、九州で「10万円以上20万円未満」の割合が高く、関東、中国・四国では「5万円以上10万円未満」の割合が最も高くなった。用途別に見ると、交通費が4万9467円で、次いで被服費3万6869円、宿泊費が2万7059円となった。
就活生からは「就職活動の交通費がかさみ、スーツなどに充てるお金がなかったときに助けてくれた」(中部/文系)、「当初の予定の3倍以上お金がかかって、就活費が足りなくなり、あやうく就活できなくなるところでお金を出してもらえてありがたかった」(中国・四国/理系)など、援助してもらえると期待していなかったので助かったという声があった。
2021年卒学生の就職活動では、新型コロナウイルスの影響を受けてWEB面接を行う企業が増え、例年よりは交通費をかけずに企業説明会や面接に参加できた学生も増えた。今後もその傾向は続くと考えられるが、最終面接だけは対面で、という企業も少なくなく、やはり交通費の負担はある。そうした時に、タイミングよく親から金銭的・物質的に支援してもらえることは、とてもありがたいことのようだ。
そして、2位は「普段と同じ態度、見守り役、聞き役に徹してくれた」(44.0%)、3位「個性を尊重し、自分の活動を肯定してくれた」(43.0%)、4位「食事面、生活面の援助をしてくれた」(39.1%)、5位「励まし、癒やし、心の支えになってくれた」(35.9%)が続いた。
現在、大学3年生の男子学生は就活に際して、「『自分の人生だから自分で決めなさい。やりたいことに注力していいよ』と言ってもらえたのはうれしかった。自分の興味ある業界についての記事とかを共有してもらったときもうれしかった」と語る。
2位~5位の結果やこの男子学生のコメントからも分かるように、就活生が求めている親の協力は、積極的なものよりも、普段通りに影で支えてくれるものになっている。つまり、あまりに干渉が過ぎるとプレッシャーになってしまう可能性がありそうだ。