大阪維新の会10月12日、「大阪都構想」の是非を問う住民投票が告示され、大阪市中央区で街頭演説をする大阪市長の松井一郎(手前左)と大阪府知事の吉村洋文(同右) Photo:JIJI

「5年前とはだいぶ違いますわ」――。大阪維新の会の動向を結成当時からウオッチしている在阪のジャーナリストはこう語った。大阪市を廃止して四つの特別区を新設する「大阪都構想」の是非を問う住民投票のことだ。10月12日に告示され、投開票は11月1日だ。

 元大阪市長の橋下徹と二人三脚で都構想をけん引してきた維新の会代表で現市長の松井一郎は南海電鉄難波駅前で第一声を上げた。

「大阪府知事は大阪市民の敵ではない。府、市が二度とバラバラにならないように大阪を成長させる」

 ただ、5年前に行われた1回目の住民投票の際に生まれた熱気はなかったようだ。その大きな要因がコロナ禍である。橋下がけん引してきた維新の会の選挙は、街頭演説を盛り上げることで支持を集める“地上戦”を得意とした。

 ところがコロナ禍で「人が集まり過ぎないように街頭演説の場所を事前通知しない」(前出のジャーナリスト)ため、維新らしさが見えにくくなっている。