JR西日本Photo:PIXTA

JR西日本は10月1日、利用者が駅設備の不具合個所を投稿するシステム「みんなの駅」の実証実験を在来線新大阪駅で開始した。その概要と狙いを解説する。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

利用者の声を改善につなげる
鉄道業界では初の取り組み

「みんなの駅」とは、駅ポスターに記載のQRコードからスマートフォンなどでアクセスできる専用のウェブサイトで、メッセージアプリのような対話形式で不具合について入力していき、最後に写真を投稿するだけというシンプルなシステムだ。

 投稿にはユーザー登録が必要だが、ユーザー名とパスワードの設定のみで個人情報の入力は必要ない。情報提供を元に改善が行われた場合は、自分のログイン画面に報告が送られてくるという仕組みだ。

 これまでは利用者が不具合を発見した場合、駅員に申し出るか、お客様センターに電話やメールで情報提供をすることが一般的だった。こうした情報は通常、管理部門を通じて担当部門と共有され、設備の修繕計画に反映されてきた。

 しかし「みんなの駅」のように施設部門が直接、利用者の声を集めて改善につなげるという試みは、千葉市の「ちばレポ」や京都市の「みっけ隊」など行政では導入事例はあるものの、鉄道業界では初めての取り組みとなる。