「自分が理解できる、質のいい企業」とは
バフェットが投資する企業
1.10年、20年と成長が見通せる企業
2.自分が理解できる、質のいい(Good quality)企業
3.時価が本来の価値より割安になっている企業
4.「Economic moat-濠(ほり)」がある企業
5.経営者が信頼できる企業
6.株主還元を重視する企業
こちらも解説していこう。
1.1年や2年で離すつもりで選ぶのと10年、20年持つつもりで選ぶのでは、投資する銘柄はおのずと変わってくる。10年、20年持つつもりであれば、その間成長を続けると見込む銘柄を選ぶことになる。これを見通す目利き力がカギとなる。
2.「自分が理解できる」は前述したとおりだ。そして「質のいい」というところは奥が深い。経営陣の質が高い、他社がまねできない事業モデル、顧客ロイヤリティが高い、企業倫理の評価が高いなど。一言では言い表せないが、よく噛みしめて念頭に置いておくべきだろう。
3.この言葉が、今回の日本の商社株買いに当てはまる。師匠グレアムから薫陶を受けた-安全域「Margin of safety」。株価がその株式の本来価値より安い状態にある場合に、その差を安全域と呼び、過小評価されている銘柄も、いずれ本質価値に戻るという考え方だ。
4.濠は、まさに城のまわりの濠である。深い濠があるため、容易に敵は城に侵入できない。その濠は、企業では、優れた経営・事業システム、企業カルチャー、ブランド価値、顧客ロイヤリティ、高い市場シェア、特許などであろう。
5.バフェットは、ここに大変重きを置く。買収するとき、バフェットはデュー・デリジェンス(企業監査)などしないという。経営者を見るというのだ。「企業は人で成る」をまさに地で行く。
6.投資するからには、株主にたくさん還元してくれる企業に投資するのは当然で、1~5の要件を満たす企業は、株主還元も厚いとみることができよう。そして株主を重視する企業は、投資成果も大きいといえる。