コロナ禍で東京一極集中に陰りが見え始めている。東京は住む場所として、まだ魅力的だろうか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

実態は地方出身者の集まり
統計でわかる東京の人口動態

 コロナ禍で東京一極集中に陰りが見え始めている。新型コロナ感染者数の伸びでやり玉にあげられ、「東京問題」とまで現首相に言われた東京。感染者が突出して多い状況は、人の動きにも影響を与えている。

 それは、新卒社会人、転勤族などの引っ越し先にも見られ、今後の動向が気になる事態になっている。そもそも、人はなぜ東京に集まるのか。リモートワークが行われる中で、東京一極集中は終わるのだろうか。

 東京23区には2020年現在、950万人が住んでいる。これは日本の総人口の7.5%に相当する。しかし、東京23区(以下、都区部)に一度でも住んだことのある人は2600万人を超える。これは毎年の転入者数を60年分合計した数字だが、日本の総人口の5分の1を超えている。

 これだけ都区部に住所を移した人は多いわけで、居ついた人がこのうちの2割だとしても520万人となり、55%に及ぶ。2019年も約41万人が都区部以外から引っ越してきている。これは現人口の約4%なので、25年で総人口と同じになるペースである。

 また、都区部で生まれた人は60年で560万人ほどしかいない。今でも都区部に住んでいるのは、少なくともこれより少ない。「江戸っ子」(江戸で生まれて江戸で育った人)は数が少なく、幅を利かせるには及ばない。これらの結果から、都区部の地方出身者の数はおおよそ半分を超えることがわかる。

 以上の説明から確定的に言える事実は、「都区部の最大の特徴は地方出身者が多い」ということだ

 いわゆる「よそ者」が過半数なのだから、地元民に過剰に気を遣う必要はない。先住者を装う人も少し前までよそ者だった可能性が高い。であれば、転校生のように新参者としてアウェイ感覚を持って委縮することはない。それよりも、みんな知り合いではない、寄せ集めの新入生のような気分でいる方がいい。いち早く東京をホームであるかのように振る舞った者の勝ちだと考えよう。