長期化するコロナ禍で不安やストレスに晒される日々が続いています。こういった「負の感情」は、心の病気だけでなく、高血圧や糖尿病といった生活習慣病を引き起こす要因にもなります。先行き不透明で精神的にも不安定になりがちなウィズコロナ時代、「負の感情」に振り回されて病気にならずに感情とうまく付き合っていくにはどうすればよいのでしょうか。そこで今回は、福島県立医科大学医学部の大平哲也疫学講座主任教授の著書『感情を“毒”にしないコツ』(青春出版社)から、感情と生活習慣病の意外な関係性について解説します。
生活習慣は「感情」に支配されている
生活習慣病が大きな病気の引き金になることはよく知られていますが、実際病気の8~9割は生活習慣病がもとになっています。そして、その生活習慣を支配しているものこそが「感情」なのです。病気のなりやすさは感情次第といっても過言ではありません。
日常生活を思い出してみてください。中でもわかりやすいのが、「つい食べすぎてしまう」というケースです。体重が増えすぎたらよくないことは誰でもわかっていますよね。減らせば健康になることもわかっています。でも、我慢できずに食べてしまう。食べたいという欲求や、おいしそうと思ってしまうイメージ。人間は弱い生き物ですから、そういったものにどうしても支配されてしまうのです。