また、最も事故発生件数が少ないのは岩手県で、1万台当たり2.87件。1位の静岡県(21.51件)に比べ、実に7倍以上の差がある結果となった。

 自転車ジャーナリストの菊地武洋氏によれば、事故を防ぐため、自転車利用者に重要なのは下記の3つだという。

 1つ目は「自分の存在が見られていないと自覚を持つこと」。

 夜間はもちろん、日中でも自転車は、クルマのドライバーなどからは見えにくい。特に冬場は目立ちにくい服装が多くなるので、事故のリスクは高まる。

「リアライトは反射板ではなく、LEDなどの明るく光量の多いライトにすることがおすすめ。また、日中でも前照灯をつけた方が事故リスクは下がります」(菊地氏)

 2つ目は「走行速度は『対○○速度』で考えること」。

 最近の自転車にはスピードメーターを付けているものも少なくない。だが、走行速度だけでなく、「対歩行者速度」や「対自動車速度」という視点も必要だ。

 例えば、歩道を歩行者が時速5キロで向かってくる場合、自転車の走行速度が時速20キロであれば、「対歩行者速度は時速25キロ」。

 一方、通勤・通学時間帯はクルマも混雑しがちなので、時速40キロも出ていないことが多い。

 自転車と同じ方向に走るクルマが時速40キロ、自転車が時速20キロとすれば、「対自動車速度」は差し引き(40キロ-20キロ)で時速20キロとなる。

 ここから言えることは、歩道よりも車道を走ったほうが、速度差は小さくなるということだ。

 まして、自転車で車道を逆走すれば、対自動車速度は時速60キロ(40キロ+20キロ)となる。そのリスクがいかに大きいかが分かるだろう。

 3つ目は「走りやすいルートを選ぶこと」。

「歩行者や自動車が少ない」「走行距離と走行時間が短い」という2つのポイントのバランスがとれているルートを選ぶべきだろう。

「例えば、通学中の子どもが多い時間帯であれば、住宅街や通学ゾーンは避ける。また、多少遠回りになっても、自転車専用通行帯が整備されているルートが望ましい。場合によっては、往路と復路で異なるルートにすることで事故リスクを減らせることも知っておくべきです」(菊地氏)

 今回のランキングにおいて、事故発生件数が1万件を超えているのは東京と大阪。東京が1万1771件、大阪が1万1070件と、事故発生件数はほぼ同じだ。

 ところが、保有台数は東京が816万8000台に対し、大阪はその約3割少ない596万9000台。

 この数値を見る限り、大阪は東京よりも自転車事故が起きやすいと言える。

(ダイヤモンド編集部 松本裕樹)