人は薬を選ぶとき、薬のパッケージに「成分」と「効能」がはっきり示されているから手を伸ばすことができる。文章でもこれらを意識し、読者のためになるような内容を入れるようにしよう。

◇おもしろい文章には「サビ」がある

 ここからは、「読まれる」からさらに上の「おもしろい」を目指すことについて考えていこう。著者が考える「おもしろい」とは、「感情が動く」ということである。新しい情報だらけの「100%おもしろい」を目指した文章だと、読み手はついていくことができず、おもしろいと思うことができない。おもしろい文章の8割くらいは読み手が共感できる内容にして、2割で新しい発見を伝える。このくらいの割合を目指せば、新しい発見を際立たせ、無理せずおもしろい文章を書くことができる。

 おもしろい文章、印象的な文章には「サビ」がある。10万字の本でも、140字のツイートでも、「グッと来る」ポイントがあることが、その文章のおもしろさにつながる。サビをつくるコツは「言い切る」ことだ。たとえば「やる気のないときほど、仕事をすべきだ」というように、バシッと言い切ると強い言葉になり、サビになる。ここで、「やるといいかもしれない」と言葉を濁してしまうと、同じことを伝えていてももどかしい感じになってしまう。勇気を持って言い切ったうえで、必要があれば補足を行おう。

◇先制パンチで離脱を防ぐ

 サビをつくることは重要だが、サビに到達する前に離脱されてしまっては意味がない。一番有効なのは、「冒頭、一行目でつかむ」ことだ。まず冒頭の一行目に強い言葉を使って先制パンチを浴びせることができれば、読まれる確率は格段に上がる。そのうえで、詳しい説明は二行目以降にしたほうが効果的だ。冒頭だけでなく、随所に「サビ」を入れたり、読み手のメリットをいちはやく示したりすることで、飽きさせないようにしなければ、いまの時代通用しない。

 多くの人に読んでもらえるメッセージにするための方程式は「共感→発見→感動」だ。まず、読み手の「共感」を誘うパートを入れて読者の心をつかむ。しかし、ただの共感では心には残らない。次に心を動かす「発見」を与え、さらに心に「じん」としたものを残す「感動」で締めくくることで、ようやく多くの人がシェアしたくなるものになるのだ。