脂肪を燃焼させる写真はイメージです Photo:PIXTA

11月14日は世界糖尿病デー。東京都庁など国内の著名な建造物をブルーにライトアップし、糖尿病の予防と早期治療を市民に訴える。糖尿病が疑われる成人は1000万人。糖尿病予備群も1000万人。肥満から糖尿病発症をたどる人がなかなか減らない。肥満解消のためのダイエットには食事制限がつきものだが、長続きしない。糖質制限もリバウンドを招き、長期的には健康によくない。糖質が異様に食べたくなり、「ほんの少し」と思って炭水化物やスナックを口にしたとたんに止まらない。そんな方々に無理なくダイエットが続く正しい運動法、食事法を、福島県立医科大学病態制御薬理医学講座の下村健寿教授に聞いた。(医療・健康コミュニケーター 高橋 誠)

糖質制限、根性、努力は無用
ダイエットしようなんて思わなくていい

 下村医師は、英国オックスフォード大学研究員として、世界を代表する生理学者フランセス・アッシュクロフト教授から8年間薫陶を受けた。その間、新生児糖尿病治療法の発見という世界的快挙に貢献。日本帰国後は、新生児糖尿病に加えて肥満・2型糖尿病などの生活習慣病について、インスリン分泌や脳機能の観点から研究している。

 薬の基礎研究と臨床医の2足のわらじで、幸せな健康長寿の実現を目指す、オックスフォード帰りの「孤高の天才」。下村医師は、欧州糖尿病学会誌に掲載された「糖尿病患者における運動療法」の論文を読み、ひらめいた。