「本当に年のせいかしら。何か悪い病気なんじゃないの。この前テレビでなんか言っていたような気がするわ。病院に行ったら」

「そうだね、でも何科に行けばいいのかな。足の痛みだから整形外科かな」

「そうねぇ、ちょっと待って検索してみる。足が突然痛くなるけど、少し休むと痛みが引いて歩けるようになるのよね。あ、あった。間欠性跛行(かんけつせいはこう)だって。考えられる原因は、手や足の血管に動脈硬化が起こり、しびれや痛みなどさまざまな症状が出る『末梢(まっしょう)動脈疾患(PAD)』か、脊柱管内の神経圧迫による『腰部脊柱管狭窄症』。あなたはどっちかしら。PADなら循環器内科か血管内科、脊柱管狭窄症なら整形外科に行くのがいいみたいだけど悩むわね。とりあえず、両方ある大きな病院の循環器内科に行ってみたら。PADでなかったらすぐ整形外科に回してもらえるように」

単なる足の病気ではない
生命予後は大腸がん並みに怖い

 循環器内科では、問診のほか、足の脈拍などを調べる「触診」、腕と足の血圧を測ってその比を出すことで狭窄や閉塞の可能性を測定する「ABI検査(正常な場合は足のほうが1~2割ほど高くなるが、PADだと0.9を下回る)」、レーザーで皮膚の下1mmの毛細血管の中を走る赤血球の量を調べる「SPP検査」、血流を調べる「血管エコー」などを受けた。

 トモアキさんが以前から高血圧気味で、健康診断でもコレステロール値が高いと言われたことがあり、喫煙習慣もあると告げると医師は電子カルテに何やら打ち込んだ。

「末梢動脈疾患(PAD)ですね。動脈の中でも手足にあるものを末梢動脈と言います。末梢動脈疾患とはこの末梢動脈が狭くなったり、詰まったりすることで血液の流れが悪くなってしまう疾患です。男性に多く、65歳以上の高齢者、50歳~64歳の喫煙者で糖尿病がある人、脚の痛みや歩行障害がある人、高血圧や脂質異常症を長期間治療している人、透析療法を受けている人などは気を付けなくてはなりません」

 医師はPCの画面を指し示しながら、丁寧に説明してくれた。