タワマン節税をあまりオススメできない理由

 ただ、あまりにも露骨な相続税節税と税務調査で認定された場合には、相続税評価額ではなく、不動産鑑定士が算出した価格で相続税を計算しなければいけない事態になる可能性があります。

 いずれにしても、不動産は時価と評価額に大きな差がありますので、預金という財産を不動産に変えれば、大きな相続税対策になることは間違いありません。

 しかし私自身は、この手法をあまりオススメしていません。節税額を上回るほどの資産価値の低下があった場合、トータルで損をする可能性があるからです。例えば1億円の不動産を買い、1000万円の節税ができても、将来その不動産が8000万円でしか売れなかったら、トータルで1000万円損する結果になります。

 不動産投資にはさまざまなメリットとデメリットが存在します。購入価額は適正か、将来の資産価値はどうなるか等、さまざまな角度からの情報収集と精査が必要になります。

 強調したいこととして、不動産投資の知識や経験のない方が、安易に相続税の節税目的で不動産に手を出してしまうのは、危険なのでオススメできないということです。

 不動産を購入すれば確かに相続税の節税になりますが、おまけくらいの期待度で考えたほうがうまくいくのかもしれませんね。