◎全体的な投資イメージ

●投資する理由は?
売上高が14億円→34億円→64億円と倍々ゲームで伸びており、電子コミック市場も年々拡大している。売上高が数百億円規模に急拡大していく可能性が高い(新型コロナによる在宅需要の増加も追い風)。時価総額が300億円以上あって小型株としては規模が大きいほうなので、10倍株(テンバガー)は狙えないかもしれないが、株価3倍は十分に狙える。創業社長が筆頭株主で投資家と利害が一致しており、さらに株価上昇の期待度が高まる。「マンガBANG!」を実際に利用している知人の評判がよく、商品力と需要の高さを感じる。

●展開するビジネスの市場規模は?
コミック市場(2019年)は「紙+電子」が4980億円(前年比12.8%増)、そのうち「紙」は2387億円(同1.0%減)だが、「電子」は2593億円(同29.5%増)。電子のコミック市場占有率は52.1%と、ついに紙のコミック市場占有率を逆転し、なおも急成長中。

●投資期間はどのくらいか?
直近高値の5500円で利益確定できるとすれば、1~2ヵ月が目安。5500円を超えてそのまま上昇トレンドに入った場合は、3ヵ月~半年程度のイメージ。

●時価総額の上限はどのくらいか?
電子コミック市場の拡大ペース次第だが、現時点では500億~1000億円くらい。

●時価総額の下限はどのくらいか?
直近安値の約3000円から計算すると、短期的には200億円程度。

●損失リスクの許容範囲は何%で、何%のリターンを狙うか?
日足の長期移動平均線が4135円に対して、現在は株価4155円なので、ここから上昇トレンドが崩れなければ絶好の押し目。ここから株価が4000円を切って2~3日戻らなければ損切り、上は直近3ヵ月の高値である5500円超えを期待。仮に損切り価格を3800円に設定し、5500円前後で利益確定すると、次のようになる。現在4155円⇒利益確定5500円(+32.0%)、損切り3800円(―8.5%)。

●投資の期待値はプラスか?
-8.5%のリスクを負って、+32.0%のリターンを狙うので、期待値は大きくプラス。

◎予想通り株価が上がったとき

●株を持ち続けるとしたらどんな条件を満たしたときか?
・現状のペースを崩さず業績が伸び続けているとき
・株価チャートの上昇トレンドをキープしているとき
・業績予想の上方修正したとき
・新規事業を開始したとき

●株を売るとしたらどんな条件を満たしたときか?
・短期間で急騰しすぎたとき
(例:2日連続ストップ高/3日で+30%急上昇)
・目標株価(5500円)を超えたとき
・半年以内に時価総額500億円を超えたとき
・株価チャートの上昇トレンドが崩れたとき
(中期移動平均線を割り込んだとき)
・新規ダウンロードやユーザー数の伸び率が鈍化してきたとき

◎予想より株価が伸びないとき

●株を持ち続けるとしたらどんな条件を満たしたときか?
・業績が順調に伸びているとき
・日足の長期移動平均線上で株価が推移しているとき
・全体相場の悪化のあおりをうけて株価がグズついているとき

●株を売るとしたらどんな条件を満たしたときか?
・業績の伸びが鈍化してきたとき
・移動平均線3本が絡まってきたとき
・株価が1ヵ月以上グズついたとき

◎予想に反して株価が下がったとき

●株を持ち続けるとしたらどんな条件を満たしたときか?
・長期移動平均線を割り込んですぐに株価を戻したとき
・事前に設定した損切りライン(3800円)にタッチしないとき

●株を売るとしたらどんな条件を満たしたときか?
・事前に設定した損切りライン(3800円)にタッチしたとき

●問答無用で売るときはどんなときか?
・粉飾決算が発覚したとき
・正当な理由なく大株主の社長が保有株を売り始めたとき
・明らかに勝てない強力な競合サービスが出現したとき
・プラットフォーム側がアプリを削除したとき
・電子書籍ビジネスに圧倒的に不利な法律が成立したとき
・事業継続が難しいレベルの出来事が発生したとき
・スマホでマンガを読む文化がこれ以上普及しないと判断したとき

さて、ちょっとわからない株用語もあったと思いますが、本書でおいおい説明していきますので、ご安心ください。

このように株価の動きをひと通り想定しておくと、実際に投資した後、なにが起きてもほとんど慌てずに対応できます。

投資戦略を立てることに慣れてくると、想定外のことはめったに起きず、損失も利益もすべて想定の範囲内となります。これが目指すべき領域です!

投資戦略をつくるには、そもそも投資したい会社のことを十分に理解しておく必要があります。

その会社が展開しているビジネスの内容はもちろん、「市場規模」「競合他社」「株主構成」「事業リスク」などを広く知っておく必要があるのです。

だからこそ、小型株「集中」投資なのです。

多くの銘柄に適当に分散投資するのではなく、1つひとつ丁寧に調べて大事に投資していきます。

それによって成功確率が高まるのです。

仕事や趣味など自分の関心度が高い業種を投資対象にすると、楽しみながら情報の収集や分析ができるので、投資パフォーマンスもアップしやすいと思います。

参考にする指標は、展開するビジネスによって異なります。

「Amazia」の場合、主力事業がマンガアプリなので、「ダウンロード数」「ユーザー数」を参考にしましたが、飲食やジムなど実店舗を展開している会社なら「店舗数」を参考にします。