2020年もあとわずか。コロナ第三波が到来する中、ビジネスパーソンの中でも、リモートワーク大歓迎の「リモート強者」とリモート化になじめない「リモート弱者」に二極化しつつある。
あなたは「リモート強者」か?「リモート弱者」か?
そんな時、心強い味方が現れた。
ITビギナーから絶大な信頼を得ている平塚知真子氏だ。
平塚氏は、Googleが授与する資格(Google認定トレーナー/Google Cloud Partner Specialization Education)を2つ保有する国内唯一の女性トレーナー経営者。
初の単著『Google式10Xリモート仕事術──あなたはまだホントのGoogleを知らない』が発売たちまち重版。12/18に日経新聞にも掲載された。
「10%改善するより10倍にするほうがカンタン」というGoogle急成長の秘密「10X(テンエックス)」で成果を10倍にする「10X(テンエックス)・10(テン)アプリ」をフルカラーで初公開。
“日本一のマーケッター”の神田昌典氏(マーケティングの世界的権威ECHO賞・国際審査員)が「全部無料! こんな使い方、あったのか」と大絶賛。曽山哲人氏(サイバーエージェント常務執行役員CHO)が「想像以上に知らない機能があった」、三浦崇典氏(天狼院書店店主)が「Google全70アプリのうち10アプリを使いこなして仕事を劇的に変える解説書。リアルよりも成果を上げる術を伝える“リモート強者への指南書」というノウハウとはどんなものか。
では、“リモート弱者”が“リモート強者”になる、誰も教えてくれなかった方法を紹介しよう。

リモート会議がとにかく苦手です。ITオンチの私にもできる対策はありますか?Photo: Adobe Stock

★質問
 リモート会議がとにかく苦手です。ITオンチの私にもできる対策はありますか?

 WEB会議はいまやすっかり、日常的なコミュニケーションとなりました。

 しかし、いまだに苦痛です。このメンタルブロックを外すためにできることってありませんか?

☆回答
 会議を「準備」「拡散」「収束」の3ステップで考えてみましょう。

 会いたい人にも対面で話しにくい。マスクなしではお店にも入りにくい。

 新型コロナの影響とはいえ、誰もが夢にも思わなかった日常が到来しました。

 多くのビジネスパーソンが、モニターごしのコミュニケーションを強いられながら、リモート環境でも以前と同じ生産性を求められています。

 その中で最も悩ましいのが「リモート会議」。

 私のまわりでも、対面よりリモート会議のほうが疲れるという人が多いです。

 では、リモート弱者の最大の悩みとは何でしょう。

 ひと言で言えば、かゆいところに手が届かない歯がゆさだと思います。

(画面越しなので)「参加者の反応がつかみにくい」
(対面しないので)「意見がまとまりにくい」
(移動がないので)「会議の回数だけは増えたけれど、内容が充実しない」

 もしマネジャーとして部下をサポートし、チーム全体で目標達成に導きたいなら、そろそろリモート弱者を卒業しましょう。

 ゴールは10分の1の労力で10倍の成果を出すこと!

 そのために、会議のプロセスをもう少し分解してみましょう。

 どう分解するか。会議で必要なプロセスは3つです。

「準備」→「拡散」→「収束」

 実は、このプロセスは、Google の 10X(テンエックス) の実現プロセスと同じなのです。

 テンエックスとは、Google が急成長を遂げた秘密と言われる考え方です。

 詳しくは拙著『Google式10Xリモート仕事術』にまとめましたので、ぜひご活用ください。

 さて、ここでは、これまで公に語られてこなかった会議と Google の 10X 実現プロセスの関係を紹介しましょう。

「10倍のスケールで考える10X」は Google の成功を支えてきた秘密として、昨今知られるようになってきました。

 しかし、Google の 10X を実現するためのプロセスについてはほとんど知られていないようです。

 Google の研修で使われている スライド には「10X を実現する3ステップ」があります。

 実は、私、2017年に Google シドニーで Google から直接研修を受けました。

 そこで初めてこのスライトで 10X が3ステップでできていることを知り、感動しました。

 そのときに使われていた英語のスライドをもとにつくり直したのが、この図です。

 そのとき使用されていた図と同じものが、Google サイトに掲載されていました。

 Google では、 次の3つのステップで 10X を実現していきます。

 1 準備(ユーザーを知る)
 2 拡散(10X〈10倍のスケール〉で考える)
 3 収束(試作品で実際に試して絞る)

 まず、 1 準備で、何(誰)のために 10X の目標を立てるのかを明確にする

 Google では 10X で幸せにする対象を「ユーザー」としています。

 会議も同じです。まず目的を決めます。

 今回のご質問に当てはめれば、「なんのためにリモート会議の苦手意識をなくしたいのか」をしっかりと自分で考えてみましょう。

 次に、 2 拡散で、“ムーンショット”と呼ばれる大きな目標を掲げる。

 会議では参加者の意見がどんどん引き出され、活発な議論がなされることが期待されます。

 今回のご質問に当てはめると、「どうなったら最高にハッピーなのか」ゴールをイメージします。

 最後に、 3 収束で、是か非か、可か不可かを見極めるために試作品をスピーディに作成し、現実というフィルターにかけていきます。

 具体的な行動に移さなければ「絵に描いた餅」だからです。

 会議にもいろいろな種類があります。

「決める」ことが目的の会議の場合、誰がいつ何をどう動くのか、次のアクションを決めなければいけません。

「意見を聞く」ことが目的の会議の場合には、全体の意見をまとめる必要があります。

 今回のご質問に当てはめると、どう「行動」のか、を決めます。

 このように、10Xの実現プロセスは、実は会議の「準備」→「拡散」→「収束」とまったく同じだったのです。

 ITが苦手だから、ということだけでなく、10X思考を身につけて、WEB会議にもぜひ活かしてください。