就活で「社会人訪問」に成功する人・失敗する人の決定的な差とは就活では、志望する会社で実際に働いている社会人に会って話を聞くことが大事 Photo:PIXTA

就職活動はもちろん、自分のキャリア形成を考える上で大事なのが「社会人訪問」だ。志望する会社で実際に働いている社会人に会って話を聞き、自分が本当に行きたい会社なのか、本当にやりたい仕事なのかを確かめることが、納得のいく就活につながる。そこで、毎年約200人の学生が受講するキャリアデザインスクール、我究館の副館長・藤本健司氏に、社会人訪問を成功させるために磨くべき力について語ってもらった。

※編集部注記:主に同じ出身大学の先輩に話を聞く「OB・OG訪問」という言葉があるが、この記事では、出身大学を問わず社会人に話を聞く「社会人訪問」を取り上げる。

新卒社員が3年以内に
会社を辞める理由

「志望している企業で、入社1年目は何をするか知っていますか?」

 私が副館長を務める我究館の受講生に、よくこの質問をする。

 同じA社に入社したとしても、配属先や職種によって仕事の内容が違うため、1年目にやる仕事はさまざまだろう。だからといって、入社後のことは入社後に考えるというのは疑問である。加えて、入社後に自分が日々何をするのか、全く分からないまま入社するというのはどうだろう。一生を左右するかもしれない就活だ。本当にそれでいいのだろうか。

 事実、以下の調査にある通り、新卒社員が3年以内に辞める一番の理由は、「自分の希望と業務内容のミスマッチ」である。

 だから私は、先の通り「志望している企業で、入社1年目は何をするか知っていますか?」と質問し、「分からない」と答える受講生に対しては、「仕事の現場を知りに行こう」とアドバイスをしている。入社後すぐに辞めてしまわぬよう、日々の業務内容や社風を理解する上で有益なのが、社会人訪問なのである。(社会人訪問の重要性や具体的な社会人訪問の方法については、こちらの記事も参考にしてほしい)

 就職活動や自分のキャリア形成において大事な社会人訪問。それを成功させるポイントを2点を紹介したい。

 社会人訪問をしたことのない人が感じる不安は、以下の通りである。

・自分の至らなさを指摘されるのではないか
・当日、低い評価を受けてしまい、本選考にマイナスの影響が出るのではないか

・その場が盛り上がらず、気まずい空気になるのではないか

 これらの不安を持っている就活生たちに伝えたい。まず安心してほしい。最初から社会人訪問を成功させることは非常に難しい、ということだ。相手は日々仕事をしている社会人である。一方、こちら(就活生)は、まだ仕事のことをよく分かっていない。

 当然だが、初めて会ってすぐ、社会人の方から高く評価される可能性は低い。我究館の受講生も、挑戦と失敗を繰り返しながら日々成長している。しかし、同じ失敗を繰り返さないよう、改善は必要だ。改善については、事前準備をするだけで簡単にできる。