総予測#15
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特集『総予測2021』(全79回)の#15では、2021年の日米の金融政策の動向を予想した。マイナス金利は弊害が大きいと考えるFRBには効果ある追加緩和手段が尽きている。一方、コロナ禍対策で国債が大量発行される状況下で、日本銀行は現行の金融政策を引き締め方向には変更できないだろう。(東短リサーチ代表取締役社長 加藤 出)

「週刊ダイヤモンド」2020年12月26日・2021年1月2日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。

FRBが取り得る緩和手段を講じても
株式バブルを過熱させるだけ

 パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、2020年秋ごろから米議会に追加財政刺激策を早くまとめるよう訴えてきた。FRBの金融緩和手段はほとんど「弾切れ」状態にあるためだ。

 政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利(銀行間短期金利)の操作は、今年3月に0%近辺へ引き下げたことで限界に達した。マイナス金利政策は弊害が大き過ぎるとFRBはみている。国債などを買い入れるQE(量的緩和策)は過去最大規模で継続中だ。

 9月には、インフレ率が目標の2%を上回る期間がある程度続くまでゼロ金利を継続するとのフォワードガイダンスを導入した。狙いは超低金利継続のアピールにある。これで株式市場のユーフォリア(酔狂)は一段と過熱した。