“所有者不明の土地”――いったいどんな土地だと思う?

 ある土地、またはその土地に建っている建物の所有者が亡くなったとする。ところが、その人には妻や子といった相続人がいない。あるいは、いるのかもしれないけれど、どこに住んでいるのかわからない。

 そういう場合、家庭裁判所では、残された財産を管理する人を故人(亡くなった人)の関係者の中から選ぶ。その手続きの件数は近年、急増していて、今や1万5000件近く。この20年ほどの間におよそ3倍になっているんだ。

 そうでなくても最近、空き家はどんどん増えている。総務省によると、2008年時点の全国の空き家は757万戸。10年間で180万戸も増えた。放置された空き家は、ゴミを投げ入れられたり放火されたりしやすいから、近所迷惑のもとになる。

 空き家が増える理由はいろいろ考えられるけれど、そのひとつとして、固定資産税という税金の仕組みがある。「住宅用地特例」という税金の法律があって、住宅の敷地に利用されている土地については、税金が安くなるのが決まりなんだ。だから親が死んで、人が住まなくなった家も、取りこわさず残しておく人が少なくない。

 でも、中には相続人がわからないまま、取り残されている家もあるんだよ。空き家対策に悩む埼玉県所沢市役所の担当者がこんな話をしてくれた。

「なんとかしてもらおうと所有者を探してはみるものの、結局わからずじまいの空き家もありますね。生前、ご近所とのおつきあいがあれば、いろいろ情報を教えてもらえるのですが、それすらないという場合もある。こうなるともう追跡のしようがありません」

 結婚しない人や子どもを持たない人が増えていることを考えると、これからもこういうケースは増えるかもしれない。国土交通省では、“所有者不明の土地”の手続き は、2050年には今の4倍、約4万5000件に達すると見込んでいるよ。

 2050年、君が暮らす町はどうなっているんだろう?君のお父さん、お母さんはいくつになっているかな。70代?それとも80代?君たちとは仲よく暮らしているかな。近所に友だちはいるんだろうか……。