やる気のないパートナーをなだめるには、時には多くの油が必要になる。サウジアラビアは5日、石油輸出国機構(OPEC)およびロシアなど非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」の会合を終えた後、2月と3月に自国の原油生産量を自主的に日量100万バレル削減する方針を表明した。最も寛容な解釈をすれば、サウジの行動は度量の大きさを示したものだ。OPECプラスのメンバーの苦しい状況を理解し、善意のジェスチャーを表そうとした。より現実的な読みをすれば、世界の原油生産の方向性を巡るロシアとの主導権争いで、サウジの勢いが相当弱まったとの見方もできる。サウジのエネルギー相、アブドルアジズ・ビン・サルマン王子は5日の記者会見で、一方的に行った決定であることを強調した。だが同時に、サウジが減産表明することをロシアは知っているとも述べた。