ステージ1で
分からなかったことを聞く
直接企業の人に話を聞くときのポイントの第1は、ステージ1で分からなかったことを聞くということです。対面でもオンラインの場合でも、この1〜2月の時期に採用担当者など企業の人と接触することができれば、最後に「何か質問はありませんか」と必ず聞かれます。ここで、ステージ1で説明会の動画を視聴したときに分からなかったことを聞くと、引き出せる情報の質が違ってきます。それは同時にあなたが、「御社のことはここまでは理解しています」ということをアピールできるということでもあります。
話を聞くときのポイントの第2は、実際のお金の流れや実際のお客さまがいることを想像して質問するということです。企業説明会をどんなに真面目に視聴しても、どんなに隅から隅までホームページを閲覧しても、絶対に出てこない情報があります。それは実際の仕事で生じる細かいお金のやりとりの話とお客さまや取引先の話です。
実際の仕事となれば、業務で一担当者が作った提案が元になって何千万円ものお金が動くこともあるかもしれません。また誰もが日々の業務で、ウマの合わない担当者や、横柄な取引先に苦労していたりするでしょう。そのように実際にお金が動いていることや、実際に(あまり会いたくない)お客さまを相手に仕事をしていることを想像しながら、先輩社員やOB・OGに、日々の仕事でどんなことをしているのか、どんな苦労があるのかを聞いていくと、おのずと、具体的でリアリティのある内容に迫れるはずです。
日々の仕事の内容を知るためのステージ3では、現場で実際に何が行われているのかという個人ベースの情報に価値があるのです。日々の仕事には細かい仕事も、退屈な仕事もあるでしょう。嫌な担当者に付き合わなければならないような仕事もあるかもしれません。そうした話を聞いてもなお、あなたがその企業に入りたいと言えれば、この学生は仕事をする覚悟がある、ということが企業に伝わり、志望動機が格段にリアリティのあるものになるでしょう。
ちなみに、今年はOB・OG訪問もオンラインが中心で、グループ面談のような形式が増えるでしょう。そんな中でもちゃんと質問をすれば、あの学生はここまで分かって質問していたな、と印象に残るはずです。
また、日々の仕事・業務は、自分だけで完結するものではありません。一連のプロセスの中でその業務の前後の業務をする人が社内外を問わず必ずいます。そのように誰かと関わりながら、自分の業務を行う(協業)ことが企業で仕事をするということです。他者との関連の中での日々の業務という捉え方をすることも、話を聞くときに有効です。