首都圏の中学受験の本番が近づいてきました。近年、中学受験では「大学付属校」人気が高まり、激戦となっています。さらに今年はコロナ禍で予想のつかない展開になりそうです。第一志望をどうするか、そして、併願校はどのように選べばいいのか。
早慶中学合格率80%、大学付属校合格率100%を誇る「早慶維新塾」塾長の野田英夫氏の話題の著書「中学受験 大学付属校 合格バイブル」の中から、付属校合格のために大事な視点を、一部抜粋してご紹介いたします。

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1校、合格できれば、子どもはその後もがんばれる

 入試直前になっても、「志望校に合格できなければ公立に行きます」という親御さんがいらっしゃいますが、偏差値の高い学校だけでの組み立ては、指導する側としては、絶対にやめてほしいやり方です。お子さんは、数年の間、合格を目指して必死で努力しています。その結果「全て不合格」というのは、あまりにもきつい。たとえ行かなくても、どこか1校でも、合格しているのとしていないのとでは、その子の気持ちの持ちようが大きく違ってきます。

 私の昔の教え子で、おじいさんが通っていた慶應大学に行きたいと、がんばってきた“ゆまさん”。残念ながら力及ばす、慶應の付属校はすべて不合格でした。1月に受けた埼玉のある学校には受かったのですが、「もう一度高校でチャレンジしたい」と入学を辞退し、地元の公立中学に進学しました。

 受験勉強をしてきたゆまさんは、公立中学では常に10番以内を維持。高校受験では全ての学校から合格をもらい、みごと慶應女子に進学しました。「中学受験でちゃんと合格がもらえていたから、まだやれるとがんばれた」と笑顔で話すゆまさん。

 大げさな言い方をすれば、合格があるかないかは、その子の将来にも関わります。ぜひ、合格を取れる組み立て方をしてください。

首都圏では6~7校受験するのが平均的

「何校くらい受験をしたらいいか」というのは、皆さん悩まれるところです。平均的には、6~7校ですが、あまり数について悩む必要はありません。

 付属校が第一志望であるとして、その第一志望を決めた上で、似た出題傾向の付属校を選んでいくことになります。難易度と日程を見ていくと、かなり絞られてくるはずです。もちろん「乗馬部がある学校」など、すでにお子さんに学校選びの基準があるなら、それも加味します。お話ししてきたように目標を持つことは、合格には欠かせない要素だからです。首都圏では埼玉、千葉まで志望校を広げられれば、さらに受ける数を増やすことができますし、2月の本番前の準備にもなります。

 そして可能であれば「すべて行きたい」と思える学校で、日程を組むことができればと思います。私が「滑り止め」という言葉を使わないのは、滑り止めの学校に進学するとなったときの、子どもの気持ちを考えてのことです。「滑り止め」ではなく、せめて第5志望などという言い方にしてもらえればと思います。

 志望校を決めてからも、子どもの成績は変動します。中学受験は、多くの子どもにとって初めての受験ですから、自信をもって臨める子などほとんどいません。模試の成績に一喜一憂するのは当たり前。不安な気持ちを抱えつつ、なんとか自分を奮い立たせて日々がんばっているのです。

親ができることは子どもの合格を絶対的に信じること

 お子さんが落ち込んだとき、親御さんの態度は二つに分かれます。一緒に落ち込んでしまう方。子どもを励ます方。前者の親御さんをもったお子さんは、とてもきつい。落ち込むばかりか「このままでは落ちる!」と志望校を変えようとしたり、お子さんを叱り出したりする方もいます。6年生はまだまだ子どもです。このような親の態度に、がんばる力をすっかり奪われてしまうのです。

 そしてたとえ本番の入試で不合格が続いたとしても、「あなたならできる」と、お子さんに言い続けてあげてください。

 合格には、自分を信じてくれる人が絶対的に必要なのです。

 必死でがんばった中学受験で、「希望の学校に受かった」という事実は、子どものこれからの人生で大きな自信を与えてくれるはずです。どうぞ親子で、その夢をつかんでください。