首都圏の中学受験の本番が近づいてきました。近年、中学受験では「大学付属校」人気が高まり、激戦となっています。さらに今年はコロナ禍で予想のつかない展開になりそうです。第一志望をどうするか、そして、併願校はどのように選べばいいのか。
早慶中学合格率80%、大学付属校合格率100%を誇る「早慶維新塾」塾長の野田英夫氏の話題の著書「中学受験 大学付属校 合格バイブル」の中から、付属校合格のために大事な視点を、一部抜粋してご紹介いたします。
併願校は第一志望と問題傾向の似ている学校を選ぶ
本書で詳しく説明している通り、進学校と大学付属校は出題傾向が全く違うので、併願すると負荷がかかるためおすすめしません。さらにいえば、付属校の中だけでも、出題傾向の違いがあります。第一志望は行きたい学校を選び、その対策を入念にするとしても、併願校は第一志望の出題傾向と似ていたり、子どもと相性のいい問題が出るところを選ぶと、あまり負荷をかけずに合格可能性が高まりやすいともいえます。
問題量・難易度・記述量で、問題傾向を見極める
本書の巻末には、首都圏と関西の主だった大学付属校の問題を、問題量・難易度・記述量の視点から分析した「大学付属校 完璧ファイル」を載せています。
問題量は単位時間あたりの設問数です。どの程度の処理速度が要求されるかがわかります。
難易度は、基本問題と応用問題の割合などを見て判断しています。
また記述量は、国・社・理の記述問題や、算数の場合は解法や式など、自分の考えを書かなければならない問題がどの程度あるかを示しています。
高い処理速度を要求されたり、難しい応用問題が出たり、記述量が圧倒的に多かったりする場合、自分がもともと得意ならアドバンテージになりますが、そうでないなら、それ相応の対策が必要となり、負荷がかかります。
たとえば、もともと、じっくり考えて答えを出すタイプの子が、問題量が多くて高い処理能力を必要とされる試験の訓練をするには、それなりに時間も努力も必要になるでしょう。また、記述問題が苦手な子が、第一志望は記述問題が出ないのに、第三志望の学校は記述問題が多いとなると、第三志望だけのために記述対策をしなければならず、あまり効率的とはいえません。
また、学校によって科目の配点が違うことにも注意しましょう。算数・国語が、理科・社会より高い配点となっている学校は多いのですが、慶應普通部のように全ての科目の配点が同じ、という学校もあります。その際に、理社が得意かどうかは大きなポイントになります。
出題傾向の似た学校は負荷がかからず得点しやすい
巻末の「大学付属校 完璧ファイル」の出題傾向や配点をざっと見て、子どもと相性がよい、もしくは、第一志望の傾向と似ていて、対策にあまり負荷がかからないと思われる学校などを選んで、実際に過去問をやらせてみてください。意外に点数が取れるのではないでしょうか?
一般的に併願校は偏差値で選ぶことが多いと思いますが、これまで何度もお話ししてきたように、合否を決めるのは、「偏差値」よりも「過去問ができるかどうか」です。とはいえ、相性がよいかを知るために全ての学校の過去問を、試しに解いてみるような余裕は現実的にはないと思います。
「中学受験 大学付属校バイブル」の中の、「大学付属校 完璧ファイル」の傾向分析を参考にして、お子さんと相性がよい学校を知り、志望校や併願校選びの参考にしていただければ幸いです。