近年、中学受験では「大学付属校」人気が高まり、激戦となっています。「早慶GMARCH」「関関同立」をはじめとする、人気の「付属中学」の合格を勝ち取るにはどうすればいいのか?
実は、付属校の入試問題は、「御三家」を頂点とする進学校のような難問があまり出ないので、大手塾で落ちこぼれたり、偏差値が20足りない子でも、付属校に“特化した”勉強をすれば、「逆転合格」できる可能性は高いのです。
早慶中学合格率80%、大学付属校合格率100%を誇る「早慶維新塾」塾長の野田英夫氏の話題の著書「中学受験 大学付属校 合格バイブル」の中から、付属校合格のために大事な視点を、一部抜粋してご紹介いたします。

【中学受験】<br />第一志望校なら<br />50%偏差値に届いていれば<br />チャレンジせよ!Photo: Adobe Stock

偏差値の見方を知らないと、子どものやる気をくじく

 中学受験生の6年生にとっては、大手塾の模試も残り少なくなり、いよいよ、偏差値や合格可能性を見て、第一志望を確定しなければならない時期になってきました。

 この時に覚えておきたいことがあります。偏差値の種類です。模試によって呼び方は違いますが、多くの模試で採用されているのがいわゆる「80%偏差値」です。これは「この偏差値を取る子なら10人中8人は受かる」とされる偏差値です。一般的にはこの80%偏差値が使われますが、模試によっては「50%偏差値」など、いくつかの偏差値を発表している場合があります。ちなみにこの50%偏差値は「10人中5人が受かる」とされる偏差値です。

 以前、こんなことがありました。早稲田をめざしていた“ひろとくん”が、「志望校を変える」と相談に来ました。聞くと、「四谷大塚の偏差値で5ポイントも届いていないから」と言うのです。よくよく結果と偏差値表を見ると、50%偏差値には届いています。「この偏差値なら、半分の子は合格しているよ。第一志望であれば、諦める必要はないよ」とアドバイスをすると、ひろとくんは「お母さんにそう伝える!」と言って、嬉しそうに教室を出ていきました。

 第一志望であればなおさら、「5割」ならチャレンジしたほうがいいのです。偏差値の見方を親が知らないばっかりに、お子さんのやる気をくじいてはなりません。

受ける日によっても偏差値は変わる

 さらに言えば、受験日が複数回設定されている学校では、受験日によって同じ学校でも偏差値が変わります。後のほうの試験日程の偏差値が+2、+3となる学校は珍しくありません。

 逆に、あまり偏差値的に差異はないのですが、日程があとになればなるほど実感として合格するのが難しくなる学校も多くあります。たとえば、早稲田中学校は1回目の入試日と2回目の入試日では偏差値の差は1ポイント程度しかありませんが、指導する立場からいえば10ポイントくらいの差があるように感じています。それだけ早稲田中学校の第2回で合格するのは難しい。第1回で、もともと合格できたはずの生徒が、実力が発揮できず不合格になってしまい、第2回でリベンジして合格するという例しかありません。早稲田中学校にギリギリで合格できるかもしれない生徒が、第1回で不合格になり、第2回で合格するというドラマチックな展開には、出合ったことがないのです。

 このように、同じ学校であっても受験する日にちによって、偏差値や合格のしやすさは変わります。

 偏差値は万能ではありません。模試によっても違いがあり、受験日によっても変わります。もちろん男女差もあります。そして付属校受験において最も重要なのは、本書で詳しく説明していますが、偏差値よりも入試問題との相性です。偏差値に振り回されて志望校を決定したり、志望校のランクをむやみに落としたりして、お子さんのやる気をそぐといったことがないようにしなければなりません。