今回の改正法では、厚生年金加入者と国民年金の任意被保険者についてiDeCoの加入可能年齢を65歳未満に引き上げる。60歳から64歳の間、会社員や公務員として働き続けるならば、22年5月以降は65歳になるまでiDeCoに掛け金を拠出することが可能になる。老後資金が増やせる上に節税メリットも引き続き受けることができるので、うれしい改正だ。

 これまで私は55歳以上の人にiDeCoを積極的に勧めてこなかったが、改正になると60歳以降も働き続ける予定の55歳以上の人にもメリットが出てくる。老後資金作りをするなら、節税メリットのある制度を有効に活用したいので、これまでiDeCoをやってこなかった人も加入を検討しよう。

 改正法が施行される前に60歳になる人は注意点がある。例えば、現在59歳の人で今年60歳になり、これまで積み立てたiDeCoの老齢給付金を受給すると、60歳以降は厚生年金に加入して働き続けたとしても、iDeCoに再加入はできない。

 再雇用で働いている間も掛け金の拠出を続けたいなら、60歳になっても老齢給付金の受給手続きはせずに、運用だけ続ける運用指図者になっておくこと。改正法が施行される22年5月以降に、掛け金を拠出できる加入者に戻る手続きをすれば、再び掛け金を拠出して積み立てを継続できるし、給与にかかる税金の節税メリットも受けられる。

 改正法の施行は来年であるが、改正の内容を知った上で今年から取り組んでおきたい。

お金を減らさない&増やすための処方箋
(4)増えたキャッシュレス決済の整理

 昨年は、政府によるキャッシュレス決済の推進政策により、従来のクレジットカードだけでなく、スマホにQRコードやバーコードを表示してお金を支払うコード決済の利用者も拡大した。

 新型コロナウイルスの感染を心配して現金を触る機会を減らしたいということでキャッシュレス決済に移行した人も少なくない。

 ペイペイなどスマホを使ったコード決済は、サービス開始当初はキャンペーンによるポイント還元率の上乗せが目立ったが、現在、還元率競争は一段落している。常時受けられるポイント還元率は、クレジットカードの方が上回るので、コード決済のメリットは大きくなくなった。

 お金の出口を増やすほど家計管理は煩雑になりやすい。多くの決済手段を使い分けるのは決して得ではないので、今年は増えた決済手段の整理を心掛けたい。

 基本は、クレジットカード1~2枚とチャージ型の交通系電子マネーで十分だ。決済手段は増やすよりも集約した方が効率よくポイントが貯まる。

 四つの処方箋はどれも難しくないので、ぜひ手を動かして取り組んでいただきたい。