◇マウントをプラスに変える

「私、すごいでしょ!」とマウントを取りたくなるのは、人間として自然なことである。コミュニケーションにおいて、マウントは必要なものではないが、それを無理に捨てる必要もない。

 例えば、ある共同体に魅力を感じてそこに入りたいと思ったとき、マウントをとりたくなったとしよう。ならば「私はこの共同体にこういう形で貢献できる」というプラスの形に変えて表現し、実際に行動してみるといい。そうすれば、「いけ好かないマウント人間」ではなく、「私たちの共同体に必要な貢献ができる人」という印象を与えることができる。

【必読ポイント!】
◆会話がしんどくなくなる武器
◇相手の言葉を「オウム返し」する

 会話のパスが来たときは、返答をいちいち考えずに、相手の発言をそのままオウム返ししてみるといい。そうすれば、相手の話に関心がある、話の続きを聞きたいと伝えられるからだ。オウム返しをする言葉は、固有名詞か、相手が意図的に使っていそうな言葉を選んでみよう。例えば、「この間、銀座に買い物に行ったんですよ」という相手の発言に対して、「……へえ、そうなんですか」ではなくて、「へえ、銀座ですか!」もしくは「へえ、お買い物に行ったんですか!」というように返答してみる。

 この「オウム返し」は、簡単ながら、会話を円滑にする効果が非常に高い。何か気の利いたことをいおうとして会話に変に間が空くよりも、オウム返しのほうがよほど自然だ。とっさにいいたいことが思いつかないとき、ぜひ使ってみてほしい。

◇「えっ!?」「あっ!」を駆使する

 相づちは、話をしてくれている「相手への報酬」と考えよう。その中でも一番使いやすいものが、驚きを示す「えっ!?」や「あっ!」だ。

 自分が話しているときに相手からの反応が薄ければ、「この人は自分に興味がないんだな」と感じてしまうが、「えっ!?」などと反応しながら話を聞いてもらえたら、その先ももっと話したくなるだろう。相手に「あなたに興味がある」「あなたの話をもっと聞いてみたい」という好意的な感情を伝えるために一番簡単なのが、驚きの相づちを打つことだ。例えば、「この服500円だったんですよ」という相手の発言に対して、「へー、安いですね」ではなくて、「えっ!?安くないですか?」や「あっ!その店って○○駅のところですか?」と相づちを打ってみるといい。