相手の発言内容に圧倒され、会話中に「えっ!?」「あっ!」しか言えなかったとしても、相手にあなたが興味を持っていることは十分に伝わる。自分に会話のボールが回ってきそうでためらうかもしれないが、リアクションした後に自分のターンが回ってくることはまずない。反対に、リアクションしないと自分が話す順番になる可能性は大いに高まる。それでも怖いなら、まず小さめに反応するといいだろう。

◇あえて「先入観」をぶつける

 相手がしゃべりにくそうなときや、会話の糸口が見つけられないときは、こちらの勝手な先入観や決めつけをぶつけてみよう。すると、相手はそれを否定するために、たくさん話してくれる。誰しも、事実と違うことを言われたら、「いや……」と本当のことを話したくなるものだからだ。ベタなこと、ステレオタイプ的なこと、ひと昔前の常識、とんちんかんなこと、めちゃくちゃな情報などをぶつけてみよう。

 ポイントは、プラスのイメージの決めつけを選ぶことだ。「どんな音楽がお好きですか?」という問いを投げかけたとしたら、それだけではなく「なんか、ロックとかお好きそうですよね?」「◎◎さんって、貴族みたいなイメージだからクラシックとか?」と続けてみる。昨晩の夕食を聞いて「冷凍の焼きおにぎりです」という答えに対して「……そうですか、焼きおにぎり、おいしいですよね」では会話が止まってしまうが、「あら!ってことは、最近お仕事が忙しいんですか?」と決めつけてみると、相手の最近の様子について聞き出せるはずだ。

◇相手に相談する

 相談は、自分の弱点をさらすことになるため、相手に親しみを持たれやすいというメリットがある。相談したからといって、必ず解決しなければいけないわけではないし、会話が進むうちに別の話題に進んでもいい。普段からネタを用意しておき、相手の得意分野に合わせた相談ができると、なおいいだろう。例としては、「○○さんってモテそうですよね。うらやましいなあ」と終わらせてしまうのではなく、「私は恋愛関係が全然ダメなんです。モテるための秘訣ってどんなことですか?」「○○さんってモテそうですよね。私、今好きな人がいるんですけど、全然仲良くなれなくて。できることを教えてください!」という具合である。