当社は2020年、20人の新卒を採用しましたが、彼らに投じる1年目の人件費はおよそ7000万円。
私にとっての財産はお金ではなく、「人」「社員」です。
銀行に貯めた7000万円より20人の社員のほうが財産としての価値が高いのです。
強い会社の定義は、社長によって違います。
お金をたくさん持っている会社を強い会社と定義する社長もいますが、私は「よい社員がたくさんいる会社」こそが強い会社だと思っています。
私はいつも銀行の支店長に言い訳しています。
「利益が上がらないのは、人を雇い、育てることに力を入れているからです。すみません」と。
新卒採用に力を入れている会社の中には、大卒しか採用しない会社もありますが、私は高卒も積極的に採用しています。
あくまで私見ですが、特に地方の場合は、高卒も大卒も地頭のよさに大きな違いはない気がしています。高卒といっても、経済的な理由で大学に行けなかった学生も多い。彼らのポテンシャルは大卒にひけを取りません。ですから高卒もしっかり採用し、きちんと教育するのが当社の方針です。
もちろん、お金は大切です。
でも、お金は究極の目的ではありません。
私は「お金は、自分の所有物ではない」と考えています。
子どもの頃、親や先生から「自分の持ち物には名前を書いておきなさい」と教えられましたが、「お札に名前を書きなさい」といわれたことはありませんよね。ということは、私たちは本能的に、「お金は自分のものではない。お金は何かに交換してこそ、初めて価値が発生する」ことがわかっているのではないでしょうか。
では、何と交換すればいいのか。
私は、人と交換します。
「お金第一主義」ではなく「人材第一主義」で考えたほうが、会社は強くなる。そのことを小山社長に学んだのです。