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鷹の視点Photo: Adobe Stock

他のプレイヤー(投資家)がどう動くか

投資において、「メタ視点」で考えることは大切です。

メタとは「高次の~」という意味で、メタ視点で考えるということは、「物事を高く俯瞰し、客観的な視点から見る」ということです。

自分の高さからの目線ではなく、上空を飛んでいる鷹の目線、さらにメタになると宇宙から地球を眺めるようなイメージです。

投資で株価などの動向を予測するとき、「ファンダメンタルズ」(経済の基礎的条件)をなるべく正しく見積もったり、株価チャートなどで過去の値動きに関する「テクニカル分析」をしたりするのは基礎的なゲームのようなもの。

より重要なのは、メタ視点を持って「他のプレイヤー(投資家)がどう動くか」を予測するという“メタゲーム”です。

●他の個人投資家が何を考えてどう動くのか?
●国内の機関投資家はどう出るのか?
●海外のヘッジファンドは何を考えてどう動くのか?

投資とはこうした他のプレイヤーの動きをメタ視点で考えたうえで、自分の立ち位置を決めるゲームともいえます。

たとえ、ファンダメンタルズやテクニカルを分析した結果、「株価が下がる」と判断したとしても、他の多くのプレイヤーが「株価が上がる」と判断した場合、株価は上がる方向に圧力がかかります。

この場合、目先のゲーム(投資)においては、下がるほうにベットする(賭ける)のではなく、上がるほうにベットするのが正解となります。

逆に、たとえば「コロナ禍によって、これから不景気になって、株価が下がる」とあなたが判断したとしても、他の多くのプレイヤーが「いまが買いのチャンスだ!」と思って買い、なおかつ機関投資家もそう予測して買えば、どれだけ不景気になることがわかりきったことでも、株価は上がる方向に圧力がかかります。

この場合、たとえ自分が株価は下がるだろうと思っていても、短期的には上がるほうにベットしたほうが値上がり益を得られる可能性が高まります。

× メタ視点のない投資家 (決算報告書や株価チャートを見て)
●これだけ決算の内容が悪いのだから株価は下がるだろう
●チャートの形も下落基調で微妙だし、触らないほうが無難だな
●この会社は将来的に、そんなには伸びしろなさそうだな
◎ メタ視点のある投資家 (決算報告書や株価チャートを見て)
●この長期移動平均線にタッチしたら、テクニカルを信じているトレーダーが買いに来そうだな
●株価が300円を割ったらPBR(株価純資産倍率)が1倍を切る水準になるから、ファンダメンタルズ重視の投資家たちが買いそうだな
●機関投資家の空売りが、そろそろ買い戻されてもいいタイミングだな