――筆者のジョン・ボルトン氏は『ジョン・ボルトン回顧録 トランプ大統領との453日』の著者。2005~06年に米国連大使、2018~19年に米大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めた ***  ジョー・バイデン米大統領は、気候変動問題を中心課題に据えることに熱心だ。それは、激しい論議を呼ぶだろう。交換取引は複雑であり、政治的対応も難しく不透明だ。しかし最大の難問は、国際関係、特に米国の最大の敵である中国との交渉だ。バイデン政権は、世界の環境問題に関する目標と、対中戦略をすり合わせる方法について、わずかでも考えているのだろうか。  早期の兆候は芳しくない。