
日本銀行がマイナス金利政策を開始したのは2016年2月16日だった。満5年となるが、この政策がインフレ率を目標の2%へ押し上げる効果は依然として表れてこず、出口は見えない状況にある。
スウェーデンの中央銀行はマイナス金利政策の副作用を深刻視して19年12月に同政策を終了させた。一方で、同政策が長期化している他の欧州各国の状況はどうなっているのか見てみよう。
同政策下の欧州の金融機関は、収益悪化を一部相殺するために顧客の預金にマイナス金利を課してきた。その適用範囲は、(1)保険などの金融関連企業、(2)一般企業や地方政府、(3)大口の個人といった順番で拡大されてきた。
スイスでは個人の預金にマイナス金利を課す際の基準値を引き下げる動きが進んでいる。