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コミュニケーションには「言語」と「非言語」がある

 刑事はどうやって相手の心理を読んでいるのか? そもそも刑事が相手にするのはホシを筆頭に本当のことを言わない人が多い。つまり相手が話す言葉にはウソが交じるので言葉は信用しないのだ。では何から本当かどうかの判断をするかというと、手の動き、体の向き、顏の表情などのしぐさだ。つまり非言語コミュニケーションに注目することになる。

 基本的なことだが、コミュニケーションには「言語」と「非言語」がある。我々は言語コミュニケーション、つまり言葉については幼いころから家庭や学校で意味や使い方を習う。しかし、非言語コミュニケーションについては教わることはほぼない。

 人間のしぐさがどんな意味があるのかは特別に教わらない限り、知らないはずだ。

 しかし、人間という生き物は「言葉にはウソがあるので当てにならない」ことを日常生活から学んでいる。そして、言語と非言語の双方で意味の違うサインを出している場合、教わっていないにもかかわらず「非言語のほうが正しい」という判断をするものだ。

 たとえば、交際相手の態度がなぜかよそよそしいと感じることがある。話していても携帯電話ばかりいじっているし、デートに誘っても返事が曖昧だ。「もしかして心が離れてしまっている?」と思って心配になる。案の定、数日後に別れ話を切り出された、なんてことはよくある話だ。人間は言葉を交わさなくても態度やしぐさで相手の気持ちを感じるわけだ。このように、非言語コミュニケーションに焦点を当ててみると相手の真意を読むことができる。

 つまり、刑事は非言語コミュニケーションに注目して本心を見抜いているのだ。さて、それではどこに注目したら本心は見抜けるのか? 次回(2/21配信)は、具体的な体の動きを紹介しよう。