つづいて、ネガティブ感情を減らす方法は何か。私たちは常に心配事を抱えている。しかし、解決できない心配事が実際に起きる確率はたったの3%といわれている。心配を解消するのにおすすめなのが、ネガティブな感情を記録する「ジャーナリング」という手法だ。人は不安を感じても、感じたこと自体はどんどん忘れてしまう。だから不安を感じたときに都度記録しておくことで、実際にそれが起きていないことを確認することができる。
最後に、人生満足度に影響を与えるのは、どんな自分も「それでいいんだ」と思える力である。できない部分だけでなく、できる部分も見てあげることで、幸福度が高まっていく。
◇2つの財を使いこなし、行動を継続させる
誰しも幸福感を感じたら、できるだけ長くその気持ちを維持させたいだろう。幸福感を呼び起こすものには2種類ある。1つは、他人と比べなくても幸福感を感じられるもので、「非地位財」と呼ぶ。もう1つは、他人と比べて優れていることに喜びを感じられるもので、「地位財」という。前者から得られる喜びのほうが、後者から得られる喜びよりも長続きする。
例えば、年収1000万円といった地位財を得ようとすると、短期的には頑張れる。ところが、喜びは長続きしないので、頑張り続けなければならない。これに対し、「やりたい仕事ができている」「人間関係に恵まれている」といった非地位財を得ようとすると、喜びが長続きする。ただし、それだけでは現状に満足して、変化やチャレンジを目指す貪欲さがなくなってしまう。
成功するアスリートや経営者の多くは、この2つの財をうまく使い分けて、努力を継続しやすくしている。例えば、今すぐ行動したいときは、「まずは月収300万円を突破する」といった地位財の目標を立てる。そのうえで、やる気を継続させるために、非地位財の目標を設定するのだ。目標は、自分の現状や目指す姿に合わせて使いこなすとよい。
【必読ポイント!】
◆ 仕事を通して幸せになろう
◇好きなことだけでは幸せになれない
幸福度の研究が進み、科学的に認められた方法で自分の現在の幸福度を診断できるようになった。重要なのは、数値の高い低いよりもありのままの自分の状況を知ることだ。