人手・時間不足に悩む日本の製造業
根本的な改革が不可欠
製造業は今でもGDPの2割以上を占める、日本の基幹産業だ。
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問題はその労働生産性にある。2018年の日本の製造業の労働生産性水準(就業者1人当たり付加価値)は9万8795ドルと米国の約3分の2で、OECDに加盟する主要31カ国の中では16位にとどまる。
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この理由を吉田氏は「製造業の構造的課題にある」と分析。生産年齢の人口が下がり、人手不足という課題を抱えながら、働き方改革関連法案の施行により、中小企業にも「時間不足」という課題がのしかかるようになったからだと語る。
「日本の製造業38万社のうち99%が中小企業にあたる。月45時間以上の残業禁止が適用されたことで、これまで残業でこなしていた業務量がこなせず経営が悪化し、やがて廃業の道を選ぶ企業も出ている。1980年代のジャパン・アズ・ナンバーワンの時代は労働人口も1人当たりの就業時間も最大にふくらんでいた。それが、いずれも年々減少して総労働時間が減る中で、限られた時間で多くのアウトプットが必要となっている。製造業はやり方を根本的に変える“改革”が必要だ」(吉田氏)