「ラーメンは和食の部分を取り入れて、昆布や魚のダシを生かしています。ラーメンの持つダシの相乗効果というのがフレンチでも注目されていくと思います」(鳥居氏)
では製麺メーカーとして、未来のラーメンの麺はどうなると考えているのか。
鳥居氏によれば、中国には見たこともないような麺が無数にあるのだそうだ。トウモロコシから作るそうめんのような麺や米粉ベースのビーフンのようなもの、餅のようについて細く切った麺など日本人の発想にない麺が山ほどあるという。
「もしかしたら100年後にはそういう麺のラーメンが出てくるかもしれない」(鳥居氏)
中国大陸には世界的に知られていない、大きな可能性を秘めた麺があるようだ。
業務用ラーメンのスープメーカーは
未来のラーメンをどう見ているか
和弘食品は日本中の業務用ラーメンスープを作っている会社だ。大きな声では言えないが、ラーメンファンなら誰もが知る某有名店も取引先だ。全国津々浦々、みそ、しょうゆ、塩、豚骨はもちろん、牛骨に鶏白湯、担々麺にカレーラーメン、つけ麺用の煮干しダシに油そばのタレ、鯛ダシ、ホタテダシ、すべてのスープを作っているので、すべてのラーメンの秘密を知っている。そんな会社の目から見る未来のラーメンとはどんなものか。
「当社はアメリカでも製品を販売しています。アメリカでは熱い食べ物にフーフー息を吹きかけたり、すすったりするのはマナーに反するので、以前は冷めておいしくないラーメンしか食べられませんでした。インスタントラーメンもお湯を捨てて、焼きそばのように食べていたのです。ところがこの5~6年、日本人の僕らがおいしいと思うラーメンがすごく流行っています」(同社取締役副社長の加世田十七七氏)
さらに加世田氏はこう続ける。