前田建設とグループの2社は経営統合に基本合意した。左から今泉保彦・前田道路社長、前田操治・前田建設工業社長、塩入正章・前田製作所社長
前田建設とグループの2社は経営統合に基本合意した。左から今泉保彦・前田道路社長、前田操治・前田建設工業社長、塩入正章・前田製作所社長 Photo:JIJI

準大手ゼネコンの前田建設工業は1年前、グループ傘下の前田道路に対するTOB(株式公開買い付け)に成功した。当時「親子げんか」状態だった両社を束ねる統合会社は看板から「前田」を消そうとしている。(ダイヤモンド編集部 松野友美)

 建設産業は世間に「旧態依然」と言われがちだ。実際に今から1年前、前田建設工業の完全連結子会社になる前の前田道路では、ノートパソコンも携帯電話も会社から支給されていなかった。

 ささいなことかもしれないが、明らかに前時代的。変わらなくても、道路建設という特化した世界では第一線で稼いでこられたのだ。

 一方の前田建設。前田道路の親会社であり準大手ゼネコンである同社は、元請け業者として発注者から建築・土木の工事一式を請け負う総合建設に身を置き、変わらなければ衰退するという危機感に襲われていた。

 少子高齢化やデジタル化といった変化が進む中で、請負頼みの経営では将来に広がりを見いだせなくなった。ついには元請けでありながら、「脱請負」を掲げるようになった。

 脱請負を図る中でここ数年は、コンセッションに力を入れてきた。

 コンセッションとは、公共インフラの整備に民間の資金やノウハウを活用するPFI(民間資金活用による社会資本整備)事業において、公共機関が施設を所有して運営権は一定期間民間企業が買い取る方式のこと。前田建設では、仙台国際空港や愛知県有料道路などの実績がある。