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コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2021年1〜2月度の旅行編だ。

HISが売上高96%超減で崖っぷち
阪急交通は取扱高「マイナス」の異常事態

 旅行代理店の主要3社が発表した2021年1〜2月度の月次業績データは、以下の結果となった。

○HIS(エイチ・アイ・エス)の旅行総取扱高
1月度:前年同月比13.3%(86.7%減)
2月度:同3.3%(96.7%減)

○近畿日本ツーリスト(KNT-CTホールディングス〈HD〉)の取扱額実績
1月度:前年同月比44.4%(55.6%減)
2月度:同9.4%(90.6%減)

○阪急交通社(阪急阪神HD)の総取扱高
1月度:前年同月比45.4%(54.6%減)
2月度:総取扱高がマイナスとなったため、前年同月比のデータなし

(※)旅行業界は業績の発表タイミングが他業界よりも1カ月遅い「翌々月」のため、20年12月時点の月次業績データを「1月度」、21年1月時点の同データを「2月度」と表している。そのため、月次業績データにおける直近3カ月の平均値も12~1月の2カ月の平均値を用いている。

 本来であれば、冬休みや帰省シーズンに当たる12月は旅行需要が増え、旅行代理店にとって稼ぎ時だ。しかし、2020年の年末は新型コロナウイルスの感染拡大に伴って様相がガラリと変わっていた。20年12月、政府が帰省や移動を控えるなど「静かな年末年始」を送るよう国民に要請。これに伴って政府は、「Go To トラベル」キャンペーンを12月28日から2021年1月11日の間、全国で一斉に一時停止すると決めた(その後、緊急事態宣言の延長を受け、現在までGo Toトラベルの全国一斉停止を継続している)。

 そのことが旅行代理店に及ぼした影響の実態とはどのようなものなのかを見ていこう。