先述のとおり、25年積み立てた際の資産額は、定期預金で約690万円、バランス型で約1026万円、積極型で約1370万円という結果だった。ここで、積み立て投資をiDeCoで行っていたとして、税金の還付分をプラスしてみよう。年収650万円の場合、月々2万3千円の積み立てで、年8万2800円の税金が還付される。25年分で207万円となる。これを25年後の運用額にそれぞれプラスすると、バランス型約1233万円、積極型約1577万円にまで達する。

 積極投資をすれば、25年で1500万円の資産形成も夢ではない。2千万円もあと少しで手が届くのだ。

 ちなみに、iDeCoの商品選びで間違えないでほしいポイントがある。投資信託は、投資対象によって、国内債券型、国内株式型、外国債券型、外国株式型、バランス型などに分類でき、それぞれリスク・リターンが異なる。

 特に投資ビギナーの場合、リスクを過度に怖がりすぎて、債券型を中心としたローリスク・ローリターンの組み合わせを選択するケースを見かける。しかし、iDeCoのような長期投資の場合、市場は上下動を繰り返しながらも右肩上がりに成長していくのがセオリー。そのため、株式型を中心とした組み合わせで、積極的にリターンを狙っていくのが正解。

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 特に、運用期間を10年以上取ることのできる20~40代は株式型100%の攻めの姿勢が望ましい。ただし、投資地域は分散させたほうが良い。先進国、新興国、国内と幅広い地域に分散投資することで、よりリスクを軽減させることができるのだ。これが積極型にあたる。

 一方で、50代以降は、これまで築いた老後資産を守っていくことも必要となる。そのため、株式型に債券型を織り交ぜたリスク軽減の運用がよいだろう。

 老後資金に不安を持つ人はいまからでも遅くはないので、一日でも早くiDeCoで投資信託の積み立て投資を始めるべきだ。制度改正によって、2022年5月からはiDeCoへの加入が65歳未満まで拡大される。年金の受給開始年齢にあたる65歳になるまで積み立てを続け、長い老後生活を安心して送れるだけの資産を自分の力で築き上げよう。

(酒井富士子)

週刊朝日  2021年3月12日号

AERA dot.より転載