国内ジェネリック(後発)医薬品最大手の日医工に業務停止命令が下った。この「日医工ショック」は同社、ジェネリック業界、業界再編にどんな影響をもたらすのか。今後の動きには三つのシナリオがある。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
「超品質」を掲げてきたのに
品質管理問題などで業務停止
「超品質」というスローガン・合言葉を掲げて、日々取り組んでいます――。
会社ホームページにつづられた一文が、今は空々しいものとなった。
ジェネリック(後発)医薬品最大手の日医工は計75品目の相次ぐ製品自主回収を2020年4月から21年1月にかけて実施してきた。そして3月3日、ついに本社を置く富山県から品質管理などに問題があるとして業務停止の行政処分を受けた。
政府目標のジェネリック使用率80%がほぼ達成されて国内市場飽和が指摘される近年、多くの業界関係者がジェネリック市場で「規模の追求、つまり業界再編へ進む」と見込んできた。その再編の軸として挙がるのが日医工を含む国内大手ジェネリック3社だった。
今回の「日医工ショック」でそうした見立てが狂う可能性が出てきた。今後のシナリオは三つ、想定される。