世界の外貨準備に占めるドルの割合が1995年以来の水準に落ち込んだ。国際通貨基金(IMF)が先週公表した各国中央銀行の外貨準備データによると、2020年12月時点のドルの比率は59%で、同年9月比で1.5ポイント低下した。主要16通貨のバスケットに対するドルの価値を示すウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)ドル指数は6日の取引で小幅安で取引されている。ここ5営業日のうち4営業日でマイナスとなる見通しで、新型コロナウイルス禍でドルへの逃避買いが膨らんでいた1年前の水準からは8%の下落だ。年初来ではプラスとなっているが、貿易赤字や中国台頭などの要因が今年、ドルの重しになるとの見方も出ている。各国中銀が管理する外貨準備は12兆ドル近くに上るなど、中銀は為替相場では最大の存在だ。そのため中銀の外貨準備動向には注目が集まる。