【北京】個人消費の底上げを狙う中国の取り組みに、先祖の墓参りをする「清明節」の3連休が追い風をもたらした。一部の指標によると、旅行は新型コロナウイルス流行以前の水準まで回復している。
中国では製造業や輸出を中心に、かなり前から広範な経済活動がコロナ前の水準に持ち直している。一方で個人消費は、旅行制限や感染再燃への警戒感を背景に抑えられ、ここ1年ほど回復が遅れていた。
だが春が訪れ、1月に発生した大規模なコロナ感染も収束したことで、それも変わりつつある。当初は他国に後れを取った国内向けワクチン接種計画が本格化し、旅行者の不安解消につながっている。
中国国家衛生委員会によると、今月5日時点で1億4000万回以上のワクチン接種が行われており、中国国民の10人に1人が接種を受けている計算となる。
5日までの清明節の3連休で、中国旅行者の旅行回数は延べ1億0200万回と、前年の同時期の倍余りに達した。これは2019年の清明節の94.5%に相当する。中国文化観光部が5日、明らかにした。
中国の旅行予約サイト最大手である携程旅行網(トリップ・ドットコム・グループ)は同日、清明節の連休中の予約が昨年の4倍に上ったと述べた。国内のフライトやホテルの予約は2019年の清明節に比べ2桁の伸びに達し、観光地のチケット予約は3倍余りとなったという。