「べき論」でジャッジしないこと
澤:例えば今、このclubhouseを聴いてくださっている皆さんも、「自分が卓巳さんと澤の会話に加わったら、どんな言葉を発するだろう?」と脳内シミュレーションするといいと思います(本対談は2021年2月3日にclubhouse上で開催されたオンライン対談を記事化しています)。
実際に手を挙げなくても、思考してみるだけでずいぶん脳が活性化されると思いますよ。何度もやってみるうちに、語りたい何かが明らかになってくるかもしれない。
アウトプット、もしくはそのシミュレーションが有効なんです。これは、僕自身が「Voicy」のトークコラムを1100回近く続ける中で実感したことです。
川原:1000回超えってすごいですよね。発信する上で何か気をつけていることはあるんですか?
澤:「べき」という言葉は使わない。「べき」を語尾に使った途端、違う価値観の否定になって、対立軸をつくってしまうので、絶対に避けるようにしています。
自分なりの考えを主張したいときには、「べき」ではなく「私はこうする」と、自分を主語にして語るようにしています。すると、「私はこうした。でもあなたの選択は違っていい」というメッセージになって、相手の“自分らしさ”も尊重できるんです。
川原:自分と違う価値観を持つ人とどう付き合うかって、難しいテーマだと思います。僕の場合は、基本的に自分が勝てる土俵でしか勝負しないんですよ。自分のホームをつくって、人を招くという“弱者の戦略”をとっているんです。
だから、Clubhouseでも自分が面白がれるroom(自由に設定できるトークルーム)を作るのが基本で、人が作ったroomにはあまり参加しないんです。だから、負けないだけなんです。
澤:賢い戦法だと思いますよ。僕も同じです。つまり、自分のルールを適用できる環境で生きるということ。
もしも僕が他者のルールで支配されている環境に行ったらどう振る舞うかというと、「なんでもあり」という受け入れ態勢で臨むんです。「なるほど。こういう考え方もあるんだね。以上」として、それ以上のジャッジはしない。
「勝ち負けを判定しない」というルールを持ち込むだけで、大抵の相手とはやっていきます。これも「べき」を手放すだけで可能になるスタンスなんです。
(対談後編は2021年4月10日公開予定)