一番簡単なギブ、挨拶だけでこんなに変わる!
川原:本当にそうですよね、残念なことに。挨拶はコミュニケーションの第一歩であり、「あなたの存在を認めています」「あなたを受け入れていますよ」というメッセージになる。澤:もっと言うと、「これから私とコミュニケーションをしていいですよ」というチケットを渡す行為なんですよ。
川原:なんかオシャレ! いいなぁ、その表現。使わせてもらいます(笑)
澤:ぜひ。さらに細かいテクニックを言うと、挨拶を言うときの声のトーンは、ドレミファソラシドの「ソ」の音で発声すると感じよく聞こえるんです。
川原:どれどれ。(ソの音で)おはようございます!
澤:バッチリです。ただし、それ以上高いトーンで発声すると、妙にハイテンションな人になっちゃうから気をつけて(笑)。簡単なテクニックなんだけれど、これさえも最初は勇気が必要なんですよね。
川原:「突然どうしたの?」と言われるんじゃないかとビクビクしたり。
澤:「突然どうしたの?」と言われたら勝ち!と思えばいいんです。だって、私は突然変異したんだから当然です、と。その後にはポジティブな変化しか訪れないはずです。
川原:いいですね。この記事を読んだ人には全員試してほしいです。
澤:ポイントは、相手に見返りを求めないこと。無視されても、けげんな顔をされても気にしない。「自分はチケットを渡したのだから、これでよし」とする。
それに、黙って見ている人たちの大半は、内心では「元気があっていいな」と思ってるはずです。そして、いつしか周りを巻き込む変化になっていくんです。
つまり、ポジティブな循環は自分から生むという意識を持つことが大事。僕はコンビニで買い物をする時にも、店員さんに「ありがとうございました」と言って店を出るようにしていますよ。
川原:むちゃくちゃ素敵な心がけじゃないですか。
澤:こういうささやかなギブのコミュニケーションを愚直にやっていると、どこかで声を上げることへの精神的なハードルって自然と下がっていくんです。
川原:僕の場合は我慢強くないから、反応が薄い相手に対しては、そこから先、あまり関わろうとしなくなってしまうんですよね。
澤:それでいいと思いますよ。時間は有限だからね。
川原:人生にかけられる時間は限られているから、付き合う人はめちゃくちゃ選んでいます。冷たいかもしれないけれど。
澤:僕も選んでいますよ。ただ、その人たちの範囲をできるだけ最大化したい。ギブしながら「みんなを大好きになれたらいいな」と思って生きていると、嫌いになる人ってあまりいなくなってくるんですよ。ただし、誰でもいいというわけではなくて、波長が合うかどうかは大事です。
川原:分かります。こっちの波長をしっかりと高めて発信しておけば、その波長に引っかかる人との出会いが引き寄せられますよね。
澤:まさに。だから僕は音声メディアの「Voicy」やオンラインサロンを通じてアウトプットし続けるんですよ。
川原:今思えば、会社員時代は、自分から波長を上げるのが怖くて、うまくチューニングできていなかったなぁ。
澤:サラリーマン社会では、「名刺交換」が挨拶に代わるコミュニケーションとして機能していますからね。
ただし、あの紙1枚に書いてある情報には何一つ“自分らしさ”はないですよね。本当は、社名も肩書きも書いていない「名前だけの名刺」を差し出して、「私はですね……」から始まる自己紹介のほうが、自分を語れます。今度、そういうワークショップをやってみたらいいかもしれないですね。
川原:いいですね。二分化するかもしれないですね。名前だけの名刺でたくさん語れる人と、沈黙してしまう人と。
澤:でも、沈黙してしまう人たちに何もないのかというと決してそうじゃない。人生を見つめる時間を十分に持てていなかったり、まだ言語化できていなかったりするだけ。いくらでも変われるはずです。
川原:何から始めることを薦めたいですか?