食べ歩きグルメの容器や串などのポイ捨てが深刻な問題となっている新大久保食べ歩きグルメの容器や串などのポイ捨てが深刻な問題となっている新大久保。被害は住宅街にも及ぶ Photo:SOPA Images/gettyimages

観光業にとって泣き面に蜂
深刻化する「ゴミのポイ捨て」

 緊急事態宣言からの「まん延防止措置」という流れで、さまざまな業界から悲鳴が上がっているが、中でも深刻な打撃を受けているのが観光業だ。GWに入っていた宿泊予約のキャンセルが、各地で相次いでいるというのだ。

 東京商工リサーチによれば、2020年の宿泊業の倒産は前年度比71.6%増の127件。13年(101件)と比べて7年ぶりに高い水準だというが、今の自粛ムードが続けば、今年はさらに倒産が増えていくかもしれない。

 そんな苦境に立たされる観光業にとって泣き面に蜂というべきか、コロナ自粛とは別に頭の痛い問題が持ち上がっている。

 それは、ゴミのポイ捨てだ。

 観光業にとって、コロナ禍の中でも訪れてくれる観光客はありがたいことこの上ない存在なのだが、その中にゴミを撒き散らす者も増えているというのだ。そのため、周辺住民や自治体からクレームが殺到。ゴミからコロナウィルスが感染するのではという懸念の声もあり、観光業が「災い」を地域に呼び込む鼻つまみ者扱いになってしまっているのだ。

 その代表が、今や首都圏の女子中高生の間では原宿をしのぐほどの人気となった、新大久保だ。ここでは食べ歩きグルメの容器や串などのポイ捨てが深刻な問題となっており、転居を検討する人も出始めていると、『AERA dot.』(4月7日)が報じている。4月11日に放映された『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)でも、住宅街に座り込んで食事をし、ポイ捨てをする若い女性たちの姿が放送され、反響を呼んだ。

 また、鹿で有名な奈良公園も同様だ。落ちているビニール袋などのゴミを食べた鹿が死ぬという悲劇が多発。昨年12月2日の『BuzzFeedJAPAN』は、観光客自体の数は減っていても、道には多くのゴミが捨てられているとレポートし、ゴミ拾いをするボランティアの方はこんなことを述べている。