前回36位の岩手県が
4位に急浮上した背景とは?

 同調査の「都道府県『愛着度』ランキング」で毎年上位にランクインする北海道や沖縄県、福岡県は、納得の結果といえるが、意外性があったのが前回は36位で、今回4位となった岩手県だろう。

 これについて同調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長は、以下のように理由を分析する。

「この調査を実施したのは昨年の6月で、新型コロナの感染拡大への懸念が残る頃だったが、当時はまだ岩手県で感染者は確認されておらず、全国的にも大きな注目を集めていた。同県の感染者ゼロという安心感や対策が、愛着度にも影響したのではないかと推測している」

 その一方で、順位が振るわなかったのが南関東の各県だ。もともと南関東は地方からの移住者も多く、愛着度が低い傾向にあったが、その中でも例年、比較的愛着度が高かった神奈川県は、前回25位から35位に順位を下げた。また千葉県は前回42位から44位に、埼玉県は前回46位から47位へとランクダウンした。

 現在、新型コロナ感染が各地で急増し、第4波に入ったと指摘されている。一見すると、新型コロナと愛着度に関連性はなさそうだが、「各自治体の対応や医療・福祉体制なども、愛着度に影響を与える指標」(田中社長)とのことから、今後の状況次第で2021年の愛着度の順位も大きく変動するかもしれない。

(ダイヤモンド・セレクト編集部 林恭子)