Photo:PIXTA

中核事業の業績不振で危機…
インテルが「事業転換」に成功できた理由

 新型コロナウイルスの感染収束がいまだ見通せないなか、今日の経営環境は一層不確実性と複雑性を増しているように思われる。

 新型コロナウイルス感染拡大は、その影響の急激さと広がりという点でめったに生じることのない特異な事象と考えることもできる。しかし、度重なる自然災害や、世界各地で生じている政治的対立による混乱を見聞きするたびに、こうした突発的で甚大な影響を及ぼす出来事をむしろ常態として、個人の日々の意思決定や行動を考える必要があるようにも思う。

 企業経営においても同じことが言える。今日の経営環境の特徴を理解するためにも用いられている「VUCA(ブーカ)」という言葉をご存じだろうか。これは、1990年代初頭に米国陸軍が当時のグローバルな安全保障環境の変化を理解するために考案したアクロニム(頭字語)である。まさに、今日の企業は「不安定(Volatility)、不確実(Uncertainty)、複雑(Complexity)、曖昧で多義的な(Ambiguity)」環境にあることを前提として経営していかなければならないといえよう。

 とはいえ、経営環境の不確実性や複雑性の増大はこれまでもしばしば指摘されてきた。例えば、アンゾフによる「乱気流経営」やドラッカーによる「非連続(断絶)の時代」といった表現は、いずれも当時の経営環境の変化を捉えようとしたものであった。

 つまり、変化の内容や影響の大きさに質的・量的な違いはあれども、「不確実で複雑な経営環境の変化をいかに乗り切るか」といった課題はこれまでも多くの企業が直面し、克服しようとしてきた問題であると考えてよい。我々が歴史的な出来事や企業のケーススタディーから学ぶ意義はここにあろう。