東芝は近年、企業ドラマに事欠かない。146年の歴史を持つ東芝を巡り現在繰り広げられている物語は、日本のコーポレート・ガバナンス向上の兆しを示しているのかもしれない。東芝の株価は今月23%上昇し、米国の原子力子会社ウエスチングハウスが破綻して巨額損失を出した2017年以降で最も高い水準となっている。急騰の理由は、買収合戦の観測だ。メディアの報道によると、英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズが先週、買収を提案しており、他にも買収提案を検討している企業があるという。だが、株主からの圧力を受け14日に東芝の最高経営責任者(CEO)を辞任した車谷暢昭氏にとっては、良いニュースではない。車谷氏は以前、CVCの日本法人トップを務めていたことがあり、利益相反ではないかとの疑惑が生じている。