「九州新幹線」全線開業から10年、開発者たちが語る車両のこだわりとは
写真提供:JR西日本

九州新幹線の全線開業から今年3月で10年を迎えた。車両開発に携わった関係者たちに、車両の特徴やこだわり、開発に込めた思いなどを聞いた。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

開業前日に東日本大震災
10周年もコロナの試練

 今年の3月12日で、九州新幹線(鹿児島ルート)の全線開業から10周年となった。九州新幹線は2004年3月に新八代~鹿児島中央間が先行開業し、2011年3月に新八代~博多間が延伸開業。同時に山陽新幹線との相互直通運転を開始した。

 本来であれば華々しくデビューを飾るはずであったが、開業前日に東日本大震災が発生。予定されていた記念式典は全て中止になった。開業5周年を迎えた2016年には最大震度7を記録した熊本地震が発生。そして10周年はコロナ禍と、九州新幹線には何かと試練が付いて回る。

 そんな中ではあったが、JR九州は今年3月14日、新幹線の車内に照明機材を設置してさまざまな光の演出を行いながら走行する「流れ星新幹線」を鹿児島中央から博多まで運行し、九州新幹線開業10周年に花を添えた。

 新幹線開業で九州の交通は激変した。博多~鹿児島中央間は在来線特急「つばめ」が約3時間40分、新八代~鹿児島中央間開業時の在来線特急「リレーつばめ」と新幹線「つばめ」の乗り継ぎでも約2時間10分を要していたが、博多~新八代間開業により1時間16分に短縮された。

 また山陽新幹線との相互直通運転開始により、新大阪~熊本間は最短2時間57分、新大阪~鹿児島中央間は最短3時間41分で結ばれることになり、大阪圏~熊本間の鉄道シェアは2010年の37%から2011年には56%に、大阪圏~鹿児島間の鉄道シェアは2010年の13%から2011年には35%に増加した。