アーサー・ボロディミロビッチ氏は先週、塹壕(ざんごう)の中を頭を下げながら歩いていた。900フィート(約270メートル)先にいるロシアの支援を受けた分離派勢力から銃撃されないよう願いながら。同氏は兵士としてウクライナ軍部隊とともに、5カ月ここに駐留している――だが、塹壕でははるかに長い時間を過ごしている。戦線でのルールはシンプルだ。「銃撃されたら、やり返す。その繰り返しだ」。ボロディミロビッチ氏はこう説明する。所属部隊の軍服の袖には、骸骨の上に「ウクライナか死か」と書かれたワッペンがついている。「この戦争が近く終わりを迎えるとは思わない」ドネツク、ルハーンシク地域の親ロシア分離派は7年前、ウクライナからの独立を宣言した。武器を提供してその後ろ盾となったのが、クリミア半島の併合に動いたロシアだ。