ジョー・バイデン氏は政治家として駆け出しの頃から、自分の重要な強みは政策や哲学ではなく、むしろ有権者に対する直感だと確信していた。ジャーナリストのリチャード・ベン・クレーマー氏は、1988年の米大統領選に関する有名な著書で、当時若き候補者だったバイデン氏についてこう指摘している。「彼(バイデン氏)は人々の境遇を理解していると固く信じていた。人々は自分と同じであり、自分も人々と同じであると」それから30年余りがたち、そのジョー・バイデン氏が大統領の座についた。28日夜に上下両院合同会議で初めて行った演説では、自身の政策課題を並べ、大きな政治的な賭けに出る姿勢を示した。なぜか? 当時と同じ直感がその理由を理解するカギとなる。