ちょっとした不注意が原因で致命的なミスを犯せば、あなたの信頼が失われてしまう可能性もある。厳しいビジネス社会を生き抜いていくために、自分の仕事の進め方を見つめ直して、「ミスありき」から「ミスを防ぐ」という考え方にシフトしよう。

◇ミスを成長や改善のヒントにする

 ミスを成長や改善のチャンスに変えるには、ミスをしたときに一度立ち止まり、「なぜミスをしたのだろう」と原因分析を行うとよい。次の質問の答えをノートに書き出して、事実→理由の分析→教訓を明文化してみよう。

(1)失敗したこと
(2)失敗した理由は?
(3)失敗して得たこと、学んだこと、その後教訓にしていることは?

 ミスをすると落ち込んでしまうが、ミスを前向きにとらえて、「ミスを活かすにはどうしたらいいのか」という視点で考えるようにする。失敗経験からヒントを得たり、自分の弱点を重点的にチェックする対策を取ったりすれば、ミスは自然と減っていくはずだ。

◇優先順位の指標を変える

 限られた時間でミスをせずに成果を上げるには「優先順位を間違えないこと」と「集中すること」が重要である。つまり、大事な仕事に集中できる時間と環境を作らなければならない。

 優先順位のつけ方としては、「重要度」×「緊急度」の指標が有名だろう。ただ、この指標に従うと、重要度と緊急度が高い仕事から手をつけることになる。そうすると、「大事だけどそのうちやればいい」「営業は数字を上げるのが仕事」「いつかやるから」などと考え、重要度は高いが緊急度は低い「ミス防止策」が後回しになってしまう。

 そこでおすすめしたいのが、優先順位をつける指標を「すぐに着手できること」と「すぐに効果の出ること」に変えてみることである。これらの指標ならば、「すぐに着手できて、すぐに効果が出る」ことが最優先すべき仕事になる。その観点からいうと、ミス防止策は「今やらないと損をする」「ミスが減って、仕事がはかどる」「もっと早くやればよかった」ことになるはずだ。

 ミスを防げば、時間が作れる。ミスを防ぐことで生まれた時間を大事な仕事にあてることができれば、個人も会社も大きく成長できるはずだ。