シンガポールの配車・宅配サービス大手グラブ・ホールディングスが計画している特別買収目的会社(SPAC)との過去最大規模の合併を通じた上場は、東南アジアのテクノロジー業界にとって分水嶺(れい)となりそうだ。銀行家や投資家は長らく、東南アジアの潜在力について話題にしてきた。ベンチャーキャピタル(VC)ファンドも数十億ドルを東南アジアに投じている。だがこれまでのところ、そうした投資が大型上場や買収による大きな利益につながった例はほとんどない。ゲームやeコマースを手掛けるシンガポールのシー(Sea)を除けば、株式投資家にとっての投資手段もごく限られていた。だが、グラブが米ナスダック市場への上場でいよいよシーに加わろうとしており、情勢は急変しつつある。一方、グラブの二大競合会社であるインドネシアの配車大手ゴジェックとEコマース業者トコペディアは合併を計画中で、もう一つの大型上場につながるかもしれない。
グラブの巨大SPAC上場、東南アジアITブームの火付け役に
昨年は東南アジアのユニコーンが8社に、グラブに追随する大型上場の前触れも
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